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みんげいの学校 ‐筒描藍染‐ 終了しました!

2017年11月04日

先日は長田染工場の長田茂伸さんにお越しいただき、出雲の伝統「筒描藍染」についてのレクチャー&ワークショップを開催しました。

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かつて出雲地方では綿の栽培が盛んに行われ、1枚の布に縁起のよい文様を入れた藍染をお祝いの品として贈る風習がありました。特に、嫁ごしらえ(嫁入り道具)として風呂敷・油箪・夜着・蒲団地を、孫ごしらえ(出産祝い)として子負い帯(負んぶ紐)・湯上げ・むつき(おむつ)にまで染めを施していました。明治の頃には出雲近郊で60軒ほどあった紺屋も、昭和40年代には長田さんただ1軒になってしまったそうです。

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家紋についての話や文様の意味についても説明して下さる長田さん。興味深い話の数々に皆さん聞き入っていました。

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ワークショップでは、下絵書き~糊付けまでの作業を行いました。オリジナルの図案を準備されてきた方や伝統的な文様を組み合わせる方、皆さん思い思いの文様を描いていきます。

防染のために糊付けを行いますが、この糊は長田さん自らが作られたもの。もち米を使用しているそうです。練る作業はまるでトルコアイスです。

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糊付け後は、糊の部分に米ぬかを振りかけて乾かします。藍だけでなく、もち米に米ぬかなど、自然のもので作られている安心感。糊付けの筒も和紙を柿渋で染めて作られています。技法だけでなく原料についても知っていただくことができ、出雲の伝統“筒描藍染”の面白さを実感していただけたのではないかと思います。

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この日作成していただいた大判のハンカチは、後日長田染工場で育てられた藍で染め、仕上げます。完成が楽しみです。

小川舞雨子