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ギャラリートーク「舩木研兒の人と仕事」が行われました。
2017年05月03日
4月29日にギャラリートーク「舩木研兒の人と仕事」が行われました。
布志名舩木窯の現当主である舩木伸児さんのお話が聞けるということで、普段は落ち着いた民藝館ですが、楽しみにされていたお客様で早くから賑わい、立ち見もでる盛況となりました。
研兒さんは2000年、73才の時にパーキンソン病を患い作陶を断念されたため、私などは本で紹介される情報しか知ることができなかったのですが、ご子息である伸児さんのお話しを聞くことができ、祖父・道忠さんと民藝運動との関係から、いかに研兒さんが絵の才能に長け、民藝の人たちに可愛がられ期待された陶芸家であったか。43歳の若さで脳出血により一度は寝たきりになりながらも、再起されて不自由になった右手の代わりに左手を使いながら、そしてお弟子さんをとりながら精力的に作陶されたこと。その再起されたエピソードもご家族しか知りえない面白いエピソードがあり、1時間もあっという間に過ぎてしまいました。
何より、日本民藝館設立にあたり多額な寄付をしたのが大原美術館の大原孫三郎氏ですが、その大原氏と柳宗悦やバーナード・リーチといった人物を繋げたのが祖父・道忠さんであったということが昨年、倉敷で行われた講演会の中で判明したそうです。島根の民藝だけでなく、民藝運動の始まりから舩木窯というのはとても重要な存在であったという事実に、舩木家の皆様も驚かれたようです。今度は「舩木窯と民藝運動」というような切り口でまたお話を伺ってみたいと思いました。
ご登壇下さった舩木伸児さん、ご来場下さったお客様、そして今回司会・進行を務めて下さった出西窯の井上一さんをはじめお手伝い下さった民藝協会役員の皆様、本当にありがとうございました。
小川舞雨子