出雲民藝館出雲民藝館

展示会・イベントEvent

第155回 日本民藝夏期学校(出雲会場)

開催期間8月28日(月)~30日(水)

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9年ぶりに出雲で「日本民藝夏期学校」を8月28日(月)~30日(水)の3日間開催いたします。出雲で行う夏期学校は、今までとは趣向を変え、初めて夏期学校に参加される方や若い世代の方を対象に、民藝運動の原点に立ち返りながら、これからの時代にとっての民藝とは何か、そして出雲民藝館という地域民藝館が、これからの民藝運動の一つの拠点となるために、議論と実践、そして親睦を交えた、参加者全員に頭と身体を動かしていただく会を目指しています。詳細は以下の通りです。

プログラム

〔第1日〕 8月28日(月) 会場:朱鷺会館

12:30〜 受付
13:00〜 開会式
13:10〜 レッスン1「出雲民芸協会について」
13:30〜 レッスン2「出雲民藝館再興プロジェクトについて」

昨年から取り組んでいる再興プロジェクトについて、その具体的な内容と成果を発表することで、地域民藝館のあり方について学ぶ。

14:15〜 レッスン3 トークディスカッション「これまでの民藝、これからの民藝」

作り手:島根大(出西窯)・石飛勲(雲南・白磁工房)
配り手:宇野昇平(東京・SML)・高木崇雄(福岡・工藝風向)
聞き手:佐々木創(松江・objects)
「民藝」をもう一度みずみずしいものとして受けとめ、親しむために、かつて「民藝」がいかに生まれ、いかに育ったかについての経緯を紐解くとともに、これから我々がどう民藝を捉えていけば良いか、登壇者・参加者の皆で考える機会とする。

17:30〜 交流会(宴会)

〔第2日〕8月29日(火)会場:出雲民藝館

10:00〜 レッスン4「出雲民藝館を、見直す」

出雲民藝館の敷地を提供している出雲地方の旧家・山本家の母屋も特別公開し、山本家の歴史から館設立の背景を勉強する。また、次のレッスンに繋げるためにも、より良い民藝館であるためには何を改善すれば良いかを意識しながら見てもらいたい。

12:00〜 昼食
13:00〜 レッスン5「これからの地域民藝館」

地域協会が民藝運動を実践する拠点としての地域民藝館はどうあるべきか、またどのようにすれば各地域において連携を伴いつつ継続的な活動が行えるか、皆で検討する。また、この視点から目の前にある出雲民藝館がどうあるべきか、何ができるかについて、具体的な項目を指摘していただく。

14:45〜 レッスン6「今ヨリナキニ:出雲民藝館から、始める」

参加者全員に出雲という場と縁を結んでいただく為に、前レッスンで指摘されたもののうち、すぐにでも行動できることを皆でやってみる。すぐに実行できないものについては具体的な行動計画を立てる。

17:30〜 交流会(宴会)

〔第3日〕8月30日(水)会場:朱鷺会館

9:30〜 レッスン7「盛り付けワークショップ(前半)」講師 飯野登起子(盛り付けデザイナー)

盛り付け学とは:器と盛り付けには相性があります。魅せたい主役(器や素材)を、より美しく、より美味しく魅せる学びが「盛り付け学」です。料理に適した器の選び方や盛り付け方を工夫するだけで、毎日がより豊かになります。それには、デザイン的な観点も大切なのですが、最も大切なのは、盛り付ける人の個性や思いやりです。

12:00〜 昼食
13:00〜 レッスン7「盛り付けワークショップ(後半)」 講師 飯野登起子(盛り付けデザイナー)
14:45〜 閉会式
15:00  解散

講座概要・参加費

日程:8月28日(月)~30日(水)
定員:60名
開催地:島根県出雲市(朱鷺会館、出雲民藝館)
参加費:〔宿泊あり〕33,000円(朝食・昼食・交流会 各2日分含む)/〔宿泊なし〕23,000円(昼食・交流会 各2日分含む)/〔宿泊なし ※交流会非参加〕16,000円(昼食2日分含む)
宿泊先:ホテルサンヌーベ(島根県出雲市西新町一丁目2548番地1)
※宿泊は男女別の相部屋のみのとなります。
※会場となる朱鷺会館、出雲民藝館から1番近い宿泊施設です。

申し込み方法

【申込締切:7月21日(金)】
参加申込書(PDF形式)をプリントアウトしていただき、必要事項をご記入のうえ出雲民藝協会(0853-22-6397)までFAXにて送信ください。
※プリントアウト、FAX等をご利用できない場合は、出雲民藝協会(出雲民藝館内:0853-22-6397)までお電話いただくか、お問い合わせフォームより参加ご希望の旨ご連絡ください。

【注意事項】※お申込みの前に、以下必ずご確認下さい。

  • 今回は、民藝に関心のある新たな方に夏期学校を体験していただくことを願い、申込者の数が定員を超える場合は初回の方を優先の上、抽選となります。7月21日(金)の申し込み締め切り後、2〜3日中に抽選結果を発表いたします。予めご了承ください。
  • 積極的な交流を深めることを目的とし、宿泊施設は男女別での相部屋を予定しています。
  • 宿泊先から会場まで、公共交通機関がございませんので、朝は徒歩でのご移動を願います。徒歩15分弱ほどですが、出雲の豊かな景色をご覧いただければと願います。

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雑誌民藝772号寄稿文より

これからの民藝運動の拠点として

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近年〝民藝〟をテーマにした特集や本を目にする機会が増えました。ひと昔前の民藝ブームまではいかないかもしれませんが、職人の手仕事からうまれるシンプルで美しい器や家具、装飾品に心惹かれる若い世代が増えていることは間違いありません。

しかしその状況とは裏腹に、民藝の教えを継ぐ作り手が顕在するここ出雲でさえ、高齢化によって協会の活動は縮小し、出雲民藝館の存続すらも危ぶまれる状況となっていました。そして現状を打破するため、出雲民藝協会では若い世代のアイデアを取り入れながら、島根県の地域振興制度を活用し、昨年より館の経営の立て直しを図るとともに、協会の活動の活性化を進めています。

柳宗悦らによって民藝が提唱されてから九十年以上が経ち、その時と今では工芸を取り巻く環境も人々の暮らしぶりも変わり、「民藝」という言葉が当初の思いと異なった受け取られ方をしている、ということが多々見受けられるようになりました。この度の夏期学校では、初日はご参加いただく作り手、使い手、配り手全員でそういったことを整理し、私たちがこれからも民藝に親しみ、楽しんでいくために理解しておくべき点を明確化させる試みをいたします。

2日目にはまず出雲民藝館をゆっくり見学していただきます。お昼を挟み、出雲民藝館が一つの民藝館として民藝品を展示する以外にどういうことができるか、やるべきなのかを参加者の皆様と考えます。同時に館の改善点があればご指摘いただき、即対応可能なことであればすぐに実行する、実践型の夏期学校を行いたいと思います。

3日目は、現代のライフスタイルに合わせた民藝の取り入れ方の提案として、盛り付けデザイナーの飯野登起子氏を講師に迎え、民藝の器を使った「盛り付けワークショップ」を行います。民藝を生活に取り入れる楽しみ方も皆様と一緒に学んでいけたらと考えています。

そしてこの出雲で行う夏期学校は、初めて夏期学校に参加される方を優先させていただくことになりました(応募多数の場合には参加回数が少ない方が優先となりますので、ご了承下さい)。また宿泊ホテルから会場となる朱鷺会館、出雲民藝館まですべて徒歩で移動していただきます(10〜15分ほど)。残暑の厳しい季節ですが、ゆったりと時間が流れるこの出雲の風景を皆様と共有しながら、移動までの道のりも楽しんでいただけたらと思っています。過度なおもてなしといった類はできませんが、皆様と一緒に〝民藝″について考え、作り上げていける場となるよう願っております。

出雲民藝協会事務局